酒米って?
一般に米の粒が大きく中央の心白を出すため精米しやすい大きさです。
食用米のように粒が小さいと、深く精米するとすぐ砕けてしまうからである。
心白が大きく、タンパク質の含有量が少ない。
また、磨きこんでも砕けることがないよう粘度が高く、醪によく溶ける。
その品種の心白の大きさは心白発現率(%)で表されます。
心白はデンプンから成っていて、この部分は細かい空隙を含んでいて光を反射するので不透明になります。
この空隙に麹菌が入っていって醗酵することも、酒造りにおいて心白が好まれる一因です。
醸造適性の大きい(酒に造りやすい)酒米の条件は、
· ある程度、粒が大きい。
· ほどよい線状心白がある。
· タンパク質や脂肪分が少ない。
· 外側はかたく、内側はやわらかいこと。
· 保水力に優れていること。
などです。
酒造りにおける醸造工程では、麹菌と酵母がデンプンと水をアルコールと二酸化炭素に変えていくので、米に含まれるデンプン質が重要視されます。
米粒の含むその他の成分、すなわち食用米の旨みの素となるタンパク質や脂肪は日本酒にとっては雑味の原因となります。
このことから酒米として用いる米は、 糠などの外殻部を食用米の場合よりも大きく削り落とします。
元の米粒の大きさや重量に比べてどれくらいまで外殻部を削り落とすかが、精米歩合(単位: %)として示されます。
精米歩合とは磨かれて残った割合を示すものであり、数値が低い程磨きがかかっていることを指します。
先に掲載した“獺祭”は最高23%まで磨いています。
“オマチスト” って知ってるかい?
「オマチスト」とは雄町の酒を偏愛する人のことを云うのだそうだ。
なにっ!「雄町」を知らない? 日本酒の酒米(正しくは“酒造好適米”だそうです。)
の事です。
「山田錦」、「五百万石」、「美山錦」、「八反錦」などがあります。
ワインでいえば「カベルネソービニオン」とか「シラー」とか葡萄の品種により味が
異なるのと同じで、日本酒も酒米、酵母、水 等の要素が組み合わさって味や香り
などの個性が出てきます。
酒米の王者はなんといっても「山田錦」ですが、「雄町」も人気があります。
私も知りませんでしたが、「雄町」が最古の酒米のようです。
「雄町」はふくよかな味わいで、私も大好きです。
あ~あっ! 「醸し人九平次」の純米吟醸 雄町が飲みた~い。
醸し人九平次別誂 純米大吟醸1800ml |
冷やはすっぴんの酒
日本酒の世界で”冷や”は「常温」を示す言葉です。
温度にして約20℃で、口に含むと少し冷たいと感じる程度です。
冷蔵庫の無かった江戸時代、燗か冷やしかなかった頃の名残の言葉だそうです。
実は”冷や”こそが日本酒の「素顔」です。冷やで旨い酒は、温めても冷やしても、味が崩れることなく旨いです。
ワインでの室温は、ヨーロッパで主に生産されてるので16℃~18℃ですね。
日本酒は日本の酒ですから、同じ常温でも温度が違うのは当たり前です。
日本酒の良いところは、温めても、冷やしても旨い万能選手だということです。
ワインと異なり、肉には赤ワイン、魚には白ワインなどということもないですしね。
ひれ酒は旨い!
昨日は、懇意にしている人形町の高砂でフグを食べました。
フグと言えば“ひれ酒”ですね。 “沢の鶴”の熱燗でたっぷりと頂きました。
ひれの香ばしい香りと旨みがいいんだよな~ 先日は寒かったので更に美味しく感じた一杯でした。 ところでウィキペディアによれば、昔は質の悪い酒を少しでも旨くするために考案されたのだとか。 のんべえの考えそうなことですね。。。
*** 以下、ウィキペディアの記事(ママ)*******************
ひれ酒(ひれざけ)は、日本酒の飲み方のひとつ。
食用魚の鰭(ひれ)をあぶり焼いて、燗酒にいれたものである。
フグのひれ酒が代表的である。最初に切り落とした鰭を干し、強火で飴色にあぶり、コップなどにいれ、これに熱燗の酒を注ぐ。ふたなどをして鰭の香味が酒にうつるのを待って飲む。掻き混ぜても琥珀色に透き通るのが特徴であるとされる。酒に火を点じるという飲み方もある。
かつて三増酒のような品質の悪い日本酒が幅を利かせていた時代、鰭は「二級酒を特級酒に変えてくれる」と評され、安い酒を美味しく飲む手段として定着した。日本酒の品質が向上した現在でも、ひれ酒は独特のコクと風味で根強い人気を持つ。
日本酒の級別制度の補足説明
1992年に廃止になった制度で、国が日本酒を“特級”、一級“、”二級“(戦後から3段階)に区分けし、上級ほど高い酒税をかけるシステム。
級別にアルコール度数などが定められ、特級・一級の認可には酒類審議会の審査を受ける必要があったが、一定の生産量に満たないと審査が受けられないため、旨くても二級に甘んじる蔵も多かった。
この不透明性を解消しようと製造法に準拠した新基準が制定されて級別制度は廃止された。
だいたいが、国が絡むとロクなことがないですね。 若い人は知らないだろうが、塩が専売公社でしか扱えなかった時代は、単なる“ナトリウム”で、ただ塩辛いだけでミネラル分が含まず、不味い塩だったのだけど、専売公社が無くなってからは、色々な塩が出てきたんですよね。
最近では、レバ刺しが食べられなくなりましたが、自分の責任で食べるのだから大きなお世話だ! ちょっと酔っぱらってきたか。。。
日本酒の銘柄「○○正宗」なぜ全国各地に?
日経新聞のサイトで興味深い記事を見つけたのでシェアします。
*** 以下記事ママ *************************
日本酒の銘や社名に「正宗」を使う蔵元は全国に多い。元祖は中堅酒造会社の桜正宗(神戸市)だ。正宗が全国へ広がった経緯を探っていくと、商標の管理という日本企業が今日直面する問題が浮かび上がってきた。
桜正宗は1717年創業の老舗。11代目当主の山邑太左衛門氏(49)の説明によると、当時、灘地域(神戸市、兵庫県西宮市)では酒銘を競っており、「助六」や「猿若」など歌舞伎役者に関する酒銘が多かった。同社も役者名を取り「薪水」を使っていたが、6代目山邑太左衛門は酒銘が女性的で、愛飲家にふさわしいか悩んでいたという。
6代目は1840年、京都の元政庵瑞光寺の住職を訪ね、机上の「臨済正宗」と書かれた経典を見て「正宗」がひらめいた。正宗の音読み「セイシュウ」が「セイシュ」に近く縁起も良さそうだと思ったようだ。ただ、同寺の現在の住職、川口智康さん(60)はこの由来について「昔のことでわからない」とのこと。
酒銘へのこだわりだけでなく、6代目が酒造りにかける情熱はすさまじかった。今日の吟醸造りの原型となる「高精白米仕込み」に取り組んだほか、西宮で酒造に適した「宮水」を発見、灘が最大の産地となる原動力になった。桜正宗など灘の清酒は「下り酒」と呼ばれ江戸で爆発的に売れた。1717年から江戸で灘の清酒を扱う酒類卸、ぬ利彦(東京・中央)の中沢彦七社長(70)は「正宗は吉原や藩主の屋敷で評判を呼び、江戸庶民に広がった」と話す。
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人気が高まるにつれ、正宗の名にあやかる蔵元が全国で続々と現れた。正宗の名は普通名詞となり、1884年に政府が商標条例を制定した際、桜正宗は正宗を登録したが受け付けられなかったほど。特許庁は「慣用商標の中で代表的な事例の一つ」(商標課)と説明。そこで桜正宗は国花の「桜」をつけた。
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やっぱり一番有名なのは”菊正宗”ですね。良く飲む酒です。